教文館の社内ナレッジベースです。

最近、EC(イーコマース)、つまりネットショップの環境がどうなっているのか知りたくて(漠然としすぎ!)、セミナーに行ってきました。

orz 周りのスピードが早すぎる。あらためて、お得意様たちに守られているのを実感した次第です。 一応忘備録として第2部のみ簡略化したメモを載せておきます。


経営者・EC担当者向けセミナー

『全部みせます!Eコマースのバックヤード大公開セミナー』


売れる仕組みが分かれば従業員はいらない
従業員が少なくても会社が回る仕組みと売上げが伸びる仕組み

takeuchi有限会社いろは 代表取締役社長
竹内 謙礼 氏

 

【概要】

とにかくベンチャー企業の社長だけあって内容、話し口調などすべてにおいて説得力がありました。中小企業は今後少人数で会社を回していかなければならない根拠と、具体的な施策について語られました。今回のメインスピーカーでした。

 

  • ・ 自分の母親が遭遇したオレオレ詐欺の話。不法な行為だが、手口の進化のスピードがすごい。彼らの動機は不純だが、問題解決の熱意、スピードは経営者にも必要。我々まっとうな会社の経営者はお金を稼ぐということにもっと真剣に取り組む必要がある。
  • ・ 中小企業の売上に景気は関係ない。「景気が悪い」は言い訳に過ぎない。多少は影響しても、根本的に景気が良かろうが悪かろうが、大企業に喰われる立場であることを認識すること。そして、ネット通販の世界ではどうあがいても全てにおいてアマゾンには勝てないことも認識すること。
  • ・ 数年前まで、アマゾンに出来ないことはオーダーメイドだった。現在は3Dプリンターを用いて、指輪のオーダーメイドも始めている。現在アマゾンに出来ないことはない。アマゾンよりも安く販売することも不可能。アマゾンは売上が上がるのであれば利益が出なくてもバイヤーが動いて、9掛けで買い付ける。アメリカNASDAQ上場企業なので、売上至上主義。先日アマゾン本社に取材に行ったが、世界中の小売を喰い尽くして見せると豪語していた。
  • ・ 中小企業には「金」「時間」「人」がない。そして中小企業の経営者は「ケチ」「わがまま」「せっかち」。しかしそれは裏を返せば「コスト意識」「決断力」「迅速性」でもある。それ故に生き残っているともいえるが、問題はその制約の中でネットショップを『継続』できるかどうか。ネットショップの廃業率は年間でなんと54%。多少の波に翻弄されずに大きな流れに乗れるかどうか。
  • ・ 国内のEコマース市場は2010年には8兆円だったが、2014年は12.8兆円に拡大。今後も拡大傾向は当然続く。
  • ・ スマートフォンの登場で、既にパソコンを土台としたECコマースは崩壊しつつある。
  • ・ 2015年4月21日、グーグルがスマホ対応されていないサイトにペナルティを課すことを発表している(世界初)。それまでに悪徳業者が必ずスマホ対応の営業に来るが、事前に慌てて動いてはいけない。検索結果にどういう影響を与えるかまず注視すること。
  • ・ 2017年4月1日の消費税導入、2020年東京オリンピックが潮目。消費税導入で景気は確実に後退。東京オリンピック以降も大幅に後退する。現在は“景気が良い”と認識すること。そして景気が良い時でないと、売上の伸びる体制は築けない。
  • ・ 中小企業は今後良き人材の確保は期待するな。今後、少子化が進む中で、小売業の有効求人数は全業種中ほぼ最低。全体の有効求人倍率が上昇する中で小売業は1万人減。ちなみに建設業は19万人増。そして、小売に来る少数の優れた人材は条件の良い大企業に流れる。ネットショップ運営はそこそこ頭が働く人間でなければいけないが、既にネットショップの乱立で担当従業員の劣化が起こっている。無能な人員は採用するな。廃業率50%以上もその結果。
  • ・ 経営者は「予測力」を鋭く身につけること。それが営業利益に直結する。そして今後もし人員を採用するなら、「考えさせない」仕事を与えて、仕事の継続力、迅速力をまず磨かせよ。
  • ・ ネットショップは本来コストランニングの良いモデル。それを煩雑にしているボトルネックを改善する努力をすること。バックヤードの在庫管理、決済処理、顧客管理などで合理化できるコストに見合ったソリューションを導入すること。(*この辺りの話が最も言いたかったことのようです。前半の4社のプレゼンテーションもこれにつながっていました。)

 

その他にも竹内氏の講演には傾聴に値する話題が多かったですが、技術的なことについては割愛します。